2009年1月17日土曜日

カオス #1 エノン写像

近頃,カオス理論に興味を持っています.理論は非常に難しいですが,それらを可視化した画像が非常に綺麗ですので,それらをちょこちょこっと紹介しようと思います.

エノン写像(Hénon map)
エノン写像とは,フランスの天文学者Hénonが考案したモデルで,次の式で定義される写像です.

x(t+1)=1-ax(t)^2+by(t)
y(t+1)=x(t)

手計算でも,コンピュータでも計算できる写像です.
で,下の図がa=1.4,b=0.3とした時のアトラクターです.


Fig.1 Hénon attractor(a=1.4, b=0.3)

アトラクター(attractor)とは,「力学系が十分長い時間を経た後に発展する集合」です.雑に言うと,ある初期値x(0),y(0)から,x(t),y(t)をどんどん計算していき,その時の(x(t), y(t))をプロットしたものです(実際には初期値から1000回程度計算させ,それ以降の(x, y)をプロットしています).写像を適用していった時の軌道みたいなものです.

このエノン写像.特徴は以下のとおりです(勿論,ここに挙げたものはほんの一部です).

・初期値x(0),y(0)を変化させても,アトラクターはほとんど変化しない.
・パラメータa,bにより,アトラクターは大きく変化する.
・自己相似性(フラクタル)をもつ.

上の図では,太い曲線があるように見えますが,実際は無数の曲線で構成されています.理論的にはどれだけ拡大しても,無限に曲線が見えますが,計算時間が有限ですので,途中で消えてしまいます.

最後に,少しずつパラメータを変えていくことにより,生成されるアトラクタのアニメーションを.



今回はこんな処で.

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