2009年5月14日木曜日

魚肉ソーセージ

皆さんは「人工物」と聞いて,何を思い浮かべるでしょうか.
調査の結果,98%の人が「魚肉ソーセージ」と答えていることが分かりました.

確かにこれは冗談ですが,魚肉ソーセージとは一体何なんでしょうか.

調べてみると,下のような説明がありました.


     魚肉ソーセージとは、どのような食品なのだろうか。農林水産省の定める「魚肉ハムおよび魚肉ソーセージ品質表示基準」(制定 平成12年12 月19日農林水産省告示第1658号。 改正 平成17年農林水産省告示第884号)の「普通魚肉ソーセージ」の定義によると、

    1 魚肉をひき肉したもの若しくは魚肉をすり身にしたものまたはこれに食肉をひき肉したものを加えたものを調味料及び香辛料で調味し、これにでん粉、粉末状植物性たん白その他の結着材料、食用油脂、結着補強剤、酸化防止剤、保存料等を加え若しくは加えないで練り合わせたものであって、脂肪含有量が2%以上のもの(以下単に「練合わせ魚肉」という。)をケーシングに充てんし、加熱したもの(魚肉の原材料に占める重量の割合が50%(パーセント)を超え、かつ、植物性たん白の原材料に占める重量の割合が20%以下であるものに限る。特殊魚肉ソーセージの項において同じ。)

    2 1をブロックに切断し、又は薄切りして包装したもの

    とある。
     なお「魚肉」と「食肉」の部分を筆者が赤文字としたが、この2語は、引用文の前に載せられた「魚肉ハム」の項で、

    魚肉(鯨その他魚以外の水産動物の肉を含む。以下同じ)
    食肉(豚肉、牛肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉、家と肉又は家きん肉をいう。以下同じ)

    と定義されていることへの説明の意味である。
     つまり、現在の魚肉ソーセージとは、ひき肉、あるいはすり身になった魚肉(哺乳類など魚類以外の水産生物を含む)の食材に脂肪を加え、調味料や香辛料で味付けして、それを外装材に入れて過熱したもので、魚肉の重量が全体の50%以上、「つなぎ」の植物性蛋白が20%以下、それに保存料などが加えられたもので、食肉類が加えられるものもあるもの。と、いうことができる。

新田太郎.“NipponStyle JKヴィジュアルアーカイブ 新田太郎 戦後ニッポン「ものづくり」流行史 第9回 魚肉ソーセージものがたり”.<http://www.nipponstyle.jp/column/nttr/column_09.html>.(参照2009年5月14日).


なるほど,明確な定義があったのですね.


さて,魚肉ソーセージのカッ飛ばし気味な歴史です.

1949年,魚肉ソーセージは初めて試作に成功しました.
それ以前(大正時代)からも,日本では魚肉を使用した,ハム・ソーセージ風の食品を開発していたようです.
しばし後,生産量が増大しますが,その理由が水爆実験だそうです.これには驚きました.
1954年,ビキニ環礁での水爆実験(第五福竜丸の被ばくで知られています)により,マグロ漁船が被ばくしました.そして,大量の放射能汚染マグロが水揚げされたため,消費者は拒絶,マグロの価格は大暴落.困った水産各社は,余ったマグロを魚肉ソーセージの生産に使うことにしました.
魚肉ソーセージは安価なため,学校給食などに持ってこい,ということもあって,生産量は増えていきます.ピークは1972年,国内生産量は18万tを超えました.
その後も,添加物による発がん性,200海里問題による原料のスケソウダラの暴騰などの問題がありました.
最近は生産量は減少し,5万~8万tだそうです.

深いです.歴史を魚肉ソーセージという切り口で見てみると,このような見方が出来るのですね.

参考文献
Wikipediaの執筆者たち.“魚肉ソーセージ”.<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%9A%E8%82%89%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8>.Wikipedia.(参照2009年5月14日)

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